智積院

智積院は、京都市東山区にある真言宗智山派総本山の寺院である。智積院は、もともと紀州根来山大伝法院の塔頭であった。智積院は南北朝時代、この大伝法院の塔頭として、真憲坊長盛という僧が建立したもので、根来山内の学問所であった。大書院に面した庭園は千利休好みと言われ、国の名勝に指定されている。幕末には、学寮が土佐藩屯所になっている。

真言宗智山派の総本山、長谷川等伯の絵画「桜楓図」を所蔵しています。三十三間堂と京都国立博物館のすぐそばにあり、京都駅からも近く比較的拝観のしやすいお寺です。金堂につづく参道はちょと長いかなと感じます。

寺院のもつ歴史とは裏腹に、新旧入り交ざり何とも複雑な印象を受ける寺である。金堂と講堂は最近になって建てられたものである。書院・講堂への門です。門手前の横には収蔵庫がありここに「桜楓図」が展示されています。

書院の模様ですが、色彩豊かな幕に覆われた佇まいでとても気持ちがいいです。

智積院でまず驚いたのは、大書院の襖絵である。桜楓図の複製版が書院全体に広がる。ここでも学芸員もどきの方の説明がされていて、「どうだ!!」と言わんばかりである。しかし、書院全体の構えと比べると、何と表現してよいのか迷ってしまうような妙な雰囲気を感じる。確かに見た目は派手なのだが、しっくりこないのである。

大書院に面した庭は、中国廬山をモデルとした名園。写真のひとつはバチを模ったもの、もうひとつは羅漢さんを模っているとの説明を受けたが、いろいろな教訓が組み込まれているようである。庭にまつわるご高説をしばし拝聴した後、さらに驚く事に出会ってしまう。

小書院と大書院をむすぶ渡り廊下に、坪庭のような作りがあります。

書院をぐるりと回ってみました。

書院の裏側になるのでしょうか。

書院側から見る入口側です。ここからみてもきれいですね。

書院の中からみたお庭の様子です。この位置から見るととても趣があります。撮影禁止と告げられた大書院の奥には、各々の間に文化財クラスの水墨画が展示されている。だが、そのなかの一間の襖絵に堂本印象画伯の何ともハイカラな明るい色彩の近代画が占領している。寂びのなかに一転異彩を放つ光景をいかに捉えるかが問われる。